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お知らせ・イベント

2019/11/14お知らせ

新潟市西蒲区災害研修(潟東地区/西川地区)開催しました!

令和元年11月10日(日)西蒲区災害研修を開催しました。

今年度もNPO法人にいがた災害ボランティアネットワーク理事長の李仁鉄氏を講師にお招きしました。李理事長は一昨日まで、台風19号で甚大な水害が発生した福島県等へ支援に行かれており、その合間にお越しくださいました。研修の中では、台風15号・19号・豪雨災害を受けた全国の最新情報もご報告いただきました。

 

今回の研修は避難所と災害ボランティアセンターの違いや、それぞれの役割を理解すること。地域組織と災害ボランティアセンターの連携を理解し、災害発生時に互いに協力し合える関係を築くような働きかけを行うことを目的とし実施されました。

午前中は潟東地区の農村環境改善センター多目的ホールにて、午後は西川地区の西川学習館講堂にて、同じ内容で2地区で行われました。各地区コミュニティー協議会・西蒲区日赤奉仕団各地区分団・各圏域地域包括支援センター・各圏域支えあいのしくみづくり推進員・各地区所属のボランティアグループ、サロングループ・行政・社協職員等、総勢55名が参加してくださいました。

私は潟東地区の研修に参加させていただきました。

   

前半は、避難所や災害ボランティアセンターについて・災害時の避難所の様子・避難所と災害ボランティアセンターの関わりについてご講義いただきました。

避難生活は、小さいお子さんや障がいを抱えている方等、指定避難所に行きたくてもためらってしまい、在宅での避難を選ばれる方も少なくありません。避難所運営の際、避難所以外で生活している方にも支援が行き届いているかを考えなければいけません。被災生活を送る場所は「指定避難所」だけではなく、車中泊・親戚宅避難・軒先避難等様々であることを忘れてはいけないと感じました。

また、平常時は公平性が強く求められますが、生活困窮や災害時の支援など緊急性のある状況では、自助努力を求めることは現実的ではありません。みんな同じくではなく必要な人に必要な分だけといった価値観を大きく転換し、機会ではなく結果に視点を移行させる必要があるということを学びました。

 

後半は「事例から被災者支援を考える~あなただったらどうつなげるか~」と題しグループワークを行いました。

事例「先着順に配布します」:食料の物資は十分行き届いているが、帽子や懐中電灯などといった物資は入荷が不安定で届く都度放送によって案内し配られている。放送後はすぐになくなってしまう状態。そんな中、物資配布スペースから離れた場所で生活している人から「近くにいる人はいいけど、遠い人はいつももらえない」という苦情があがっています。

避難所では絶え間なく発生する生活課題の事例を基に個人で考え、その後グループで話し合いました。

各グループからは「足りなくなることがないよう、予め希望個数を依頼する」「配布場所を増やす」「配布されなかった方には次回予約券を発行する」「整理券や抽選方式にする」といった案が発表されました。

    

実はしいはありません。そこにいるすべての人にとって、今よりも納得できる、より安心できる、より脅かさない、より未来につながる考え方かということが大事なのです。納得は対話と交流から生まれます。その時その場所で、共に暮らす仲間として、共に考え、支え合う関係が作れるといいですね。自分がされて嬉しいこと、相手の気持ちを考えられることができればと感じました。

本研修でも取り上げられた、さすけなぶるについて。さすけなぶるは東日本大震災で起きた様々な事例から教訓を学んでいく避難運営シュミレーション教材です。

さすけねぇ【福島県の方言で心配ない・問題ない】+サステイナブル【持続可能であるさまを意味する】=さすけなぶる

さ:さりげなくさりげない被災者の声に耳を傾けるところからスタート。身近な生活環境から改善を進めませんか?」

す:すばやく「被災者それぞれの生活課題や避難状況の実態をすばやく把握し、その時その時でよりよいと思われる方法を考えよう。リーンSU」

け:煙たがらず「困った人は困っている人。面倒な人・案件を煙たがって管理・排除するのではなく、その行動の背景に目を向けてみましょう。」

な:なければ創る(つなぐ)「ないからできないではなく、どうしたら、どこと繋がったら出来るようになるか、考え・創り上げましょう。」

ふる:ふるさとのような「避難所は自宅や地域の延長です。共に暮らす仲間同士、故郷のような自治・福祉・住民参加のコミュニティづくりを目指しましょう。」

すべての人が暮らしの主人公です。かわいそうな人を助けるのではなく、その時その場所で、共に暮らす仲間として、共に考え、支え合う関係が作れるといいですね。

 

また、李理事長から災害時に必ず持ち出してほしいものを伺うことができました。

李理事長は災害支援活動に数多くの地域に入られております。そうしたご経験の中で、避難時に忘れずに持っていってほしいものがあるそうです。それは『お薬』または『お薬手帳』だそうです。

避難所に医師が派遣されていても、服用していたお薬については避難所の診察だけではわからないため、実際のお薬やお薬手帳があれば非常に助かるとのことでした。避難時の持ち出し袋等にお薬手帳のコピーを入れておくことを強くお勧めしておりました。

 

参加された方からは「自分が避難所にいることを想定し話しを聞き、考えました。もっと若い方にも聞いてほしいと思った。」「誰かがやるだろうではなく、自分がやれることをやろうと強く思った。」「避難者でもボランティアでなくても出来ることがあり、助け合うことで大きな力になると思いました。」「状況によって柔軟に対応することに気づけました。」といった声が聞かれました。他にも研修を通じて学びが多かったといった声が多く聞かれました。

災害研修や訓練を行うことで、いざという時に学んだことが生きてくるのではないでしょうか。また、研修で学んだことは災害時だけでなく普段の暮らしにも共通する考え方だと感じました。

【西川地区の様子】

  

当日、ご参加くださいました皆様ありがとうございました。

ご多忙の中、研修をお引き受けくださいました李理事長には大変感謝しております。ありがとうございました。